シェアードサービス会社として29社13,000名の年末調整に対応。年末調整申告システムを活用して、500時間の削減を実現!

御社やグループの概要・特色などをお聞かせください

オムロンエキスパートリンク株式会社(以下、OLI)は、グループ内に点在していた人事機能(採用・教育・給与計算業務)、理財機能、総務機能、人材サービスを統合し、2018年4月に設立されたオムロングループのシェアードサービスを担う会社です。

私たちの部門が担当している人事給与サービス業務において、これまでも一部のグループ会社の給与計算業務を受託していましたが、2016年から始まったマイナンバー制度をきっかけに、グループ全社分のマイナンバー業務(収集・利用・保管)を受託。それに付随して、グループ全社分の給与計算はもちろん、年末調整や社会保険業務の受託もスタートしました。

【システム検討の経緯】

「eNEN」の導入の経緯についてお聞かせください

今回の年末調整業務シェアード化の目的は、スケールメリットによる業務の効率化でした。

しかしながら当初は、会社によって人事給与システムも業務の受託範囲も異なっていました。社員からの問い合わせをすべてOLIで受けるケースもあれば、申告書の配布・回収から、問い合わせ対応は各社の人事担当者が行い、OLIは申告書の確認作業のみ受けるケースもありました。

シェアードサービスを行っている中でグループ各社からもシステム化の要望があがっていました。グループ全社分の年末調整業務の全工程を受託し、システム化を機会にすべての会社で同じサービスを受けることができるように検討しました。全体のサービスレベルを上げつつ、結果として作業プロセスを標準化し、大幅な効率化を図ることができると考え導入に至りました。

「eNEN」に決めた理由

検討している中で、色んな会社に声をかけたのではなく、以前基幹システムとして利用していた某社に提案をお願いしました。一方でエムケイシステムからは、社労夢の提案も受けており、その中で年末調整のクラウドシステムを扱っていることを聞き、両社の製品を比較しました。その結果、「使いやすさ」「わかりやすさ」が一番の決め手になりました。マニュアルがなくてもユーザーが感覚的に入力でき、スマホからでも申請ができるのは便利です。後は、住宅控除の申告書が控除額の計算もできることが選定時に大きなポイントになりました。私たちとしてもその機能を積極的に使いたいと思いました。

実際に導入・運用・利用されていかがでしたでしょうか

導入時に準備が十分にできたかと言われたら、難しい部分もありました。
社員向けの案内は毎年作りこんでいたのですが、今回は時間も少なかったため、必要最低限になりました。パスワードとログインの最初の部分を案内できるようにして、後は「WEB上のマニュアルを見てください」ということでまずは走りました。初年度ということで問い合わせは増えましたが、全体を通してみた結果、チェックの工程などが確実に効率化されました。実際の数字として残業が減り、必要最低限の残業で終わったという実感でした。前年度と年調作業期間の残業時間だけを比較すると、全体で約500時間の削減ができました。他部門から21名もの方にワークシェアリングとして参加いただけたことも残業削減に大きく寄与しました。

前年度はメンバー全員がほぼ残業している状態だったので、残業が減らせたことは大変大きかったです。

システム化をすることで工夫をされたことはありますか

システム化できても、証憑としていろんな紙の証明書類の提出が求められるアナログな部分が残ってしまうことが、この業務の悩みの種です。デジタルとアナログをどううまく融合させるのか、年末調整の業務経験がないワークシェアリングの方をどのように活かすのか、業務設計をメンバーと考えました。

そこで年末調整処理業務の専用部屋を用意し、工程ごとの人の動線を考えながら書類の保管場所などをレイアウトしました。開封だけをまずは実施、時間がたてば工程が複数になっていきます。郵便物が届くし、確認作業も始まっているし、書類の並び替え・バーコードの読み取り作業も並行して必要になります。更にそれらの進捗管理をしながら、「あなたは今からこれをやってください」という采配も必要。管理だけでもものすごく大変なのですが、申告書のバーコードを読み取れば、リアルタイムでの到着状況などの進捗を正しく把握できるので、業務コントロールがアナログ時に比べて格段にやりやすくなりました。

また、工程の中で経験がなくてもできる業務、ある程度の経験が必要な業務に分け、経験の浅いメンバーには開封作業やバーコード処理を中心にお願いしました。その際にはミスを防ぐため、作業の単純化と、できるだけ複数工程を同時にさせないことを意識しました。複雑な住宅控除のチェックは当社のベテラン社員が担当し、保険料控除のチェックはワークシェアリングの方や年末調整処理が初めての方に振り分けました。システム化することで、手書きとは違い、必須項目の入力漏れ等、明らかにエラーとなるようなミスが制御されている状態で申告書のチェックができるようになりました。その結果、手書きの申告書と比べてチェックするポイントを大幅に減らすことができ、チェック工程を単純化することができました。

ご利用いただいた結果や社員の声

年末調整の仕組みの一元化とともにフルサービスの提供を実現したことにより、グループ各社の人事担当者から嬉しい声が届きました。「自分たちの仕事が確実に効率化できている。前まではそれぞれ紙を配って、休職者には郵送して…という対応をしていたのが一切合切なくなった。」、「年末調整の時期は人事部門総出で、配布したり回収したりという作業を3・4日かけてやっていた。それがごっそりなくなり本当に良かった。」と喜んでいただけました。社員からも、「システム化によって手続きが楽になった」と大変好評でした。今後は世の中のペーパーレス化の動きに合わせて、この年末調整という業務も完全にペーパーレスになることを切に望んでいます。

取材:2020年3月

人事サービス部 社員サポート課 福利厚生チーム リーダー 菱木 研様

社名 オムロン エキスパートリンク株式会社
業種 シェアードサービス
従業員数 830名
所在地 〒600-8234
京都府京都市下京区塩小路通堀川東入
URL https://www.oli.omron.co.jp/