『eNEN』導入により年末調整の入力・チェックを120時間削減!
社会保険労務士法人石山事務所
代表社員 岡野 様
事務所の概要および主要業務についてお聞かせください。
社会保険労務士法人石山事務所(旧石山労務管理事務所)は、先代の石山が1971年に創業した社労士事務所です。創立50周年の節目の年、2021年に岡野が引き継ぎ、現体制となりました。現在は労働保険・社会保険関係および人事・労務管理の専門家として、従業員の採用から退職までの労働保険・社会保険における事務手続きやコンサルティング、年金・介護を含む老後の生活設計に関する各種制度についてのコンサルティングなどに携わっています。
地域柄、顧問先はサービス業をはじめ、IT関係、エンタメ関係、外資系が多く、企業規模は大小さまざまです。50年以上の歴史がある社労士事務所ですから、経験やノウハウが豊富というのが当事務所の大きなアピールポイントといえます。実際、長くお付き合いいただいている顧問先も多く、顧問先第一号は現在も当事務所の大事なお客様です。こうした信頼関係を築けていることが、ここまで続けられている要因かもしれません。また、職員26名のうち、14名が社労士の資格を持っていることも当事務所の特徴です。
■顧問先と一緒に『eNEN』で年末調整業務の効率化を目指す
『eNEN』導入の背景をお聞かせください。
年末調整手続きの電子化について顧問先から問い合わせがあったことが、導入のきっかけとなりました。最初に問い合わせをいただいた顧問先は、自宅からお客様のもとに行って業務を行い、そのまま直帰する従業員が多く、年末調整の書類を自宅に郵送し回収・チェックする作業が大きな負担になっているとのことでした。
もちろん、当事務所も年末調整にはかなりの労力と時間を取られていました。まず、年末調整書類の裏面の説明書きは、あらかじめ印刷会社に印刷を依頼し、裏面印刷済みの5,000枚の年末調整書類を複数種類、用意しておきます。それを複合機にセットし、各社ごと給与体系順あるいは部門順といった細かい指示を『社労夢』で行い、表面を印刷していきます。各社ごとに表面の印刷をかけるため、3日間は複合機が稼働し続ける状況です。印刷が終わるとそれを顧問先に郵送し、さらに回収してデータ化を行うところまでが当事務所における年末調整の一連の業務となります。
顧問先も我々も年末調整の業務を効率化したい想いは一緒だと考え、2019年から年末調整システムを導入することにしました。『eNEN』を選定したのは、『社労夢』を展開しているエムケイシステムさんの子会社(当時はビジネスネットコーポレーションで販売)の製品であること、実際に説明を伺って使えるイメージを持つことができたことなどが理由です。
『eNEN』を利用されている顧問先は何社ぐらいありますか。
給与計算を請け負っている顧問先は約110社あり、そのなかで『eNEN』を利用しているのは2023年度の実績で31社になります。一方、人数で見てみると当事務所が関わる年末調整の人数はトータル約5,000名で、そのなかで『eNEN』を利用しているのは約3,000名。会社数よりも利用人数の割合が高いことから、会社の規模が大きい顧問先が積極的に『eNEN』を利用しているといえます。
『eNEN』導入後の定量的効果は算出されていますか。
顧問先は把握できませんが、当事務所における定量的効果であれば、回収した年末調整書類のチェック及びデータを『社労夢』に入力・チェックする業務の延べ時間で算出しています。まず、年末調整に関わる人員は給与計算に関わる職員17〜18人。11月後半から12月頭ぐらいまでを年末調整シフトの期間と定め、年末調整の入力・チェックに注力する特別体制で取り組みます。
『eNEN』導入前の2018年は、延べ360時間かかっていましたが、2019年は310時間、そして2023年は240時間という結果でした。2018年と2023年を比べると、トータル1/3の時間を削減できているわけですが、その大きな要因は『eNEN』でデータ化されている年末調整のデータを、API連携で『社労夢』に簡単に取り込めるようになったからです。
2018年当時はすべて手入力だったため、入力確認もダブルチェックで入念に行う必要があるなど、職員に大きな負担がかかっていました。その点、『eNEN』でデータ化されている年末調整のデータは、入力の手間は一切ありません。チェックも最小限で済みます。年を追うごとに『eNEN』を導入する顧問先が増えているため、業務の削減効果も高まっている状況です。
逆の見方をすれば、前述した『eNEN』を利用していない約2,000名分は手入力する必要があります。それが2023年でも240時間の入力・チェック作業が必要な原因です。また、電子申告が可能とはいえ、保険料控除証明書等は現在も原本を回収し保管する必要があるため、正しく提出されているか確認しなければなりません。こうした課題は残っていますが、少しずつ効率化できれば、さらなる時間短縮は可能だと考えています。
■社労士事務所も顧問先の人事担当および従業員も年末調整を効率化できる
定性的効果についてもお聞かせください。
《入力必須項目が分かりやすく入力漏れがない》
書類の場合、例えば、配偶者の収入項目が空欄といったことが多々あるため、従業員の手元に戻すケースがありました。『eNEN』の場合、必須項目は入力しないと先に進めない仕様ですから、入力漏れがありません。従業員が迷わないように、『eNEN』が次に入力すべき箇所を示してくれる機能も素晴らしいと思います。
《オンラインでいつでも進捗をチェックできる》
書類を配布して回収し、チェックする作業は当事務所も顧問先も本当に大変でした。当事務所では書類の入れ忘れが起きないように、チェック表を添付していましたが、従業員が多くなればなるほど対処するのは難しい状況でした。その点、『eNEN』はペーパーレスですから、郵送のやり取りも入れ忘れもありません。何よりも『eNEN』の画面で進捗を管理できることが業務効率化を促進しています。当事務所と顧問先の人事担当の方とで進捗情報を共有し、提出が遅い人には催促することもできます。
《前倒しで作業を進められる》
紙は書類が到着してからがスタートですが、『eNEN』の場合は年末調整のデータが入力されていれば、保険証明書の原本が届いていなくても、できるところから作業を進められます。ちょっとしたことですが、これが業務効率化につながっていきます。
《以前のデータをいつでも参照できる》
紙の申告書類の場合、年末調整が終わると顧問先に申告書類を返却するため、当事務所には何も残りません。『eNEN』の場合はすべてがデータとして残り参照もできますから、例えば、顧問先に問い合わせる際は先に昨年度の確認を行うことが可能です。理解を深めて問い合わせることができるため、顧問先からの信頼アップにつながります。
《毎年のバージョンアップで機能改善》
毎年、『eNEN』の機能や使い勝手などについて改善要望を出しているのですが、そのなかのいくつかはバージョンアップで本当に改善されています。例えば、団体生命保険の保険料をまとめてCSVで取り込む作業があるのですが、以前は1箇所だけ修正したいところがあっても、個別修正ができないため、CSV側で修正して再度取り込む必要がありました。現在は進捗確認の画面から簡単に修正可能になりました。今年もバージョンアップを楽しみにしています。
紙の書類で年末調整を行っている社労士事務所様へメッセージをお願いします。
ご存知の通り、紙は顧問先に郵送する作業から始まり、返送されてきた書類を確認し手作業で入力する作業まで膨大な工数が発生します。しかし、年末に年末調整の作業に追われるのは仕方ないと諦めないでください。『eNEN』を導入すれば、当事務所のような業務効率化を図ることができます。まずはエムケイシステムさんに問い合わせてみることをお勧めします。
取材:2024年8月
社名 | 社会保険労務士法人石山事務所 |
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業種 | 専門サービス |
従業員数 | 26名 |
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所在地 | 〒105-0011 東京都港区芝公園1-1-12 芝公園電気ビルディング4階 |
URL | https://www.ishiyamasr.com/ |