雇用保険番号の基礎知識|番号の確認や書類の再発行方法を解説

企業の中でも経営者や人事担当の仕事についている方の中には、雇用保険番号という言葉を目にしたことがある方も多いでしょう。しかし、雇用保険番号とは一体何なのか、どういった役割を持っているのかなど詳しくは知らないという方もいるのではないでしょうか。

そこで、この記事では雇用保険番号についての基礎知識を紹介します。また、確認方法や管理方法など、実際に雇用保険番号を扱う際のことについても触れていきます。特に仕事上で雇用保険番号を取り扱う必要がある方などは、ぜひ目を通してみてください。

1.雇用保険被保険者番号(雇用保険番号)とは?


まず最初に、そもそも雇用保険番号とは何なのかについて説明します。

雇用保険番号とは、簡単に言うと「雇用保険被保険者1人1人を対象として与えられた番号」のことを指します。主に転職・退職の際に必要とされる番号であり、雇用者を番号化することで管理を容易にするという役割があります。

1-1.雇用保険番号の桁数・形式

雇用保険被保険者番号は、原則として11桁の数字です。書類上では「4桁-6桁-1桁」の形式で記載されることがあり、雇用保険被保険者証や離職票、雇用保険受給資格者証などで確認できます。転職しても原則として同じ番号を引き継ぐため、入社手続きでは前職で使っていた番号を確認する必要があります。

ただし、1981年7月6日以前に雇用保険に加入した方は、古い番号が記載された被保険者証を持っている場合があります。その場合は、現在の11桁の番号が記載された書類を確認し、見つからないときはハローワークへ確認しましょう。なお、雇用保険適用事業所番号も11桁ですが、こちらは従業員ではなく事業所に付く番号です。

1-2.雇用保険番号の有効期限


雇用保険被保険者へと与えられる番号であることから、「雇用保険番号は転職や退職の際に変わったり、失われたりするのではないか」と考える方もいるでしょう。しかし制度上、雇用保険番号は転職や退職のたびに変わるものではなく、労働者は基本的に別の就職先に就いても同じ番号を使い続ける仕組みとなっています。なお、未加入期間が7年を超えるとデータが抹消され、新しい番号が付与される場合があります。

1-3.雇用保険被保険者証の取得方法

雇用保険番号は、労働者が雇用保険に加入した時に自動的に与えられます。ただし、雇用保険番号を知るためには、雇用保険被保険者証を取得する必要があります。ここからは、雇用保険への加入条件から、雇用保険被保険者証を取得するまでの流れまでを詳しく紹介します。

雇用保険へ加入するためには、具体的に以下の条件を満たす必要があります。

  • ・一週間の所定労働時間が20時間以上
  • ・31日以上継続して雇用される予定である
  • ・雇用保険の適用事業所に雇用されている

それぞれ大まかに、労働時間・雇用期間・労働者を雇う側の事業所についての条件であることが分かります。3つ目の条件に関しては、従業員を一人でも雇っていれば雇用保険の適用事業主となるため、条件を満たさないことはまずないと言っても過言ではありません。

また、上から2つの条件を満たしてさえいれば、正社員でなくアルバイトやパート、派遣労働者として雇われていても、雇用保険への加入条件を満たす対象者となります。

雇用保険被保険者証は、雇用保険に加入した際にハローワークから会社へと交付されます。本来であれば、労働者に対して雇用保険被保険者証を「雇用保険のしおり」とともに渡すことを国が推進しています。

しかし、紛失などのトラブルを避けるため、交付されてすぐに会社から労働者本人へと渡されるわけではなく、労働者が退職するまでは会社側が保管する場合が多くなっています。そのため、労働者が雇用保険被保険者証を受け取るタイミングは、基本的に職場の退職時となるケースも少なくありません。

そして、雇用保険被保険者証を受け取る方法としては、主に会社での手渡し・自宅への郵送の2通りとなっています。

1-4.雇用保険被保険者証と離職票の違い

雇用保険被保険者証と似た書類として離職票があります。ともに退職時に労働者が事業者から受け取る書類ですが、この2つの違いとは一体何なのでしょうか。雇用保険被保険者証・離職票それぞれの用途や発行方法を、以下に説明します。

 

雇用保険被保険者証とは?
雇用保険に加入している、もしくは加入していたことを証明する書類です。雇用保険被保険者証には、雇用保険者番号が記載されており、入社時や加入条件を満たした場合に会社から手続きをしてもらい、発行されます。

 

 

離職票とは?
失業給付を受け取る際に必要な書類です。離職票には在職中の給料額や退職理由が記載されており、退職時、もしくは退職後に会社から郵送され、受け取ることが基本です。

 

まず、共通点としては、雇用保険加入者が受け取る時期に加え、どちらも求職の申し込みをする際にハローワークに提出する書類であるということが挙げられます。

雇用保険被保険者証と離職票の違いはその「役割」です。雇用保険被保険者証は雇用保険に加入していることを証明するための書類ですが、離職票は求職者が失業給付金の受給資格を示すために必要な書類となっています。

2.雇用保険番号が必要になる場面


会社にとって雇用保険番号が必要になるのは、従業員の採用・退職・転勤の手続きや、育児・介護休業給付金、教育訓練給付金の申請を行う場面です。ここでは、雇用保険番号が必要になる主な場面を解説します。

2-1.従業員を採用したとき

従業員を採用したとき、会社は雇用保険の加入手続きで雇用保険被保険者番号を確認します。特に中途採用者は、前職で付与された番号を引き継ぐため、入社時に雇用保険被保険者証や離職票などで確認しておきましょう。会社は、確認した番号を雇用保険被保険者資格取得届に記入し、ハローワークへ提出します。番号が分からない場合は、氏名や生年月日、前職情報などをもとに確認が必要になるため、早めに従業員へ書類提出を依頼しておくと手続きが進めやすくなります。

2-2.従業員が退職したとき

従業員が退職したとき、会社は雇用保険被保険者資格喪失届を作成してハローワークへ提出する必要があり、その手続きで退職者の雇用保険被保険者番号を記入する必要があります。離職票の交付が必要な場合も、同じ番号をもとに手続きを進めます。番号に誤りがあると、退職後の失業給付に関する手続きへ影響する可能性があるため、入社時に確認した番号や雇用保険被保険者証などと照合してから提出しましょう。提出期限もあわせて管理すると安心です。

2-3.従業員が転勤したとき

従業員が転勤したとき、転勤先が別の雇用保険適用事業所に該当する場合は、会社が雇用保険被保険者転勤届を作成します。この手続きでは、対象者の雇用保険被保険者番号を記入し、転勤前後の事業所情報とあわせて届け出ます。同じ会社内の異動でも、適用事業所番号が変わる場合は手続きが必要になるため注意しましょう。人事異動が決まった段階で、転勤日や所属先、雇用保険番号を社内で確認しておくと、提出漏れを防ぎやすくなります。

2-4.育児・介護休業給付金を申請するとき

育児休業給付金や介護休業給付金を申請するとき、会社は対象者の雇用保険被保険者番号を確認します。これらの給付は雇用保険の制度にもとづくため、ハローワークへの申請書類に番号の記入が必要です。通常は会社が従業員から休業開始日や賃金情報、添付書類を確認し、申請手続きを進めます。番号に誤りがあると審査や支給手続きに影響する可能性があるため、入社時の情報や被保険者証と照合し、申請前に必ず確認しておきましょう。

2-5.教育訓練給付金を申請するとき

教育訓練給付金を申請するときは、従業員本人が雇用保険被保険者番号を確認する場面があります。教育訓練給付は、一定の条件を満たす在職者や離職者が指定講座を受講した際、費用の一部を受け取れる制度です。申請は原則として本人がハローワークで行いますが、在職中の従業員から番号や雇用保険被保険者証の確認を求められる場合があります。会社側は、必要に応じて保管書類を確認し、番号を正確に伝えられるよう管理しておきましょう。

3.雇用保険番号が記載される書類

雇用保険被保険者番号は、雇用保険被保険者証や離職票、雇用保険被保険者資格喪失確認通知書、雇用保険被保険者資格取得等確認通知書などで確認できます。会社側では、入社・退職・給付金申請などの手続きで番号が必要になるため、該当書類の保管場所を把握しておくことが重要です。

また、従業員本人がマイナンバーカードを持ち、マイナポータルを利用できる場合は、雇用保険資格・給付情報から被保険者番号を確認できることもあります。問い合わせを受けた際は、まず社内で保管している書類を確認し、見つからない場合は本人にマイナポータルやハローワークでの確認を案内しましょう。番号の誤記は手続きの遅れにつながるため、転記時の確認も欠かせません。

4.雇用保険番号が会社でも分からないときの確認方法

雇用保険番号は主に転職の際にのみ使う番号であり、退職の際には雇用保険番号の記された雇用保険被保険者証を受け取るため、基本的には必要な時にすぐ確認できます。

しかし、雇用保険被保険者証を紛失してしまった場合などには、雇用保険番号を確認しなければならないこともあります。そのため、前に勤めていた会社に問い合わせるという手順が普通ですが、それでも分からない場合はハローワークに確認する必要があります。ハローワークにて、「雇用保険被保険者証再交付申請書」という書類に必要事項を記入して提出すれば、その場で雇用保険番号の記された雇用保険被保険者証を受け取ることができます。

雇用保険番号を確認する際のハローワークに指定はなく、最寄りのハローワークでも手続きを行うことが可能です。また手続きの際は、免許証など個人情報の記された身分証明書を持参する必要があることを覚えておきましょう。

5.雇用保険被保険者証の再発行を行う方法


雇用保険被保険者証を紛失した場合は、再発行の手続きが可能です。申請方法には、ハローワーク窓口、電子申請、郵送、代理人による申請があります。ここでは、再発行を行う主な方法を解説します。

5-1.ハローワークの窓口で申請する

ハローワークの窓口で申請する場合は、雇用保険被保険者証再交付申請書と本人確認書類を用意します。申請書は窓口で受け取るほか、ハローワークや労働局のホームページからダウンロードして持参することも可能です。

本人確認書類は、マイナンバーカードや運転免許証など写真付きのものを1点、写真付きがない場合は住民票や公的医療保険の被保険者証などを2点用意します。退職した会社の名称や所在地など、分かる範囲の情報も整理しておくと手続きが進めやすくなります。書類に不備がなければ、窓口で即日再発行される場合があります。

5-2.インターネットで電子申請を行う

インターネットで再発行を申請する場合は、e-Gov電子申請を利用します。事前にe-Govアカウントの登録、電子署名の準備、電子申請アプリケーションのインストールを行い、雇用保険被保険者証再交付申請の手続きを進めます。

本人確認書類などは、電子ファイルで添付するほか、必要に応じてコピーを郵送する方法もあります。手続き完了後は、e-Govの状況照会画面から公文書を取得します。窓口のように即日発行されるとは限らず、数開庁日かかる場合があるため、余裕を持って申請しましょう。

5-3.郵送で申請する

郵送で申請する場合は、雇用保険被保険者証再交付申請書、本人確認書類の写し、切手を貼った返信用封筒を用意しましょう。申請書はハローワークなどで公開されている様式を印刷し、必要事項を記入して、住居地を管轄するハローワークへ郵送します。

本人確認書類は、運転免許証やマイナンバーカードなどの写しを同封します。郵送の場合は返送までに1~2週間程度かかることがあり、書類に不備があるとさらに遅れます。提出前に記入漏れや返信用封筒の切手を確認し、急ぎの場合は窓口申請も検討しましょう。

5-4.代理人が申請する

代理人が申請する場合は、雇用保険被保険者証再交付申請書、本人確認書類の写し、代理人の本人確認書類、委任状を用意します。申請書は原則として被保険者本人が記入し、委任状も本人の意思が分かるよう作成します。代理人は、必要書類をそろえて管轄のハローワーク窓口で手続きを行います。

書類に不備がなければ即日再発行される場合がありますが、本人確認が厳格に行われるため、委任事項や氏名、住所、生年月日などの記載漏れがないか事前に確認しましょう。会社の担当者が代理で行う場合も、同じ書類確認が必要です。

6.雇用保険番号の管理には電子化がおすすめ

雇用保険番号は基本的に会社が管理しているものであるため、管理方法についても会社側が考える必要があります。会社での雇用保険番号の管理方法として、人事担当者におすすめな手法が「電子化」です。

雇用保険番号は、雇用保険被保険者証に記載された形で会社に保管されるケースが一般的です。このような形では、労働者の退職時に雇用保険被保険者証と同時に雇用保険番号も受け渡されることとなります。

しかし、受け渡しを済ませたにもかかわらず、雇用保険被保険者証の紛失などが理由で、すでに職場を離れた離職者が会社に雇用保険番号を聞いてくることは少なくありません。このようなケースが起きた場合、すでに雇用保険被保険者証を受け渡してしまっているため、会社側も雇用保険番号を調べる手段がなくなってしまいます。

しかし、雇用保険番号を電子化して管理することで、こういった事態を避けることができます。具体的な手法としては、まず雇用保険番号を電子化し、データとして会社側で保管します。そして、雇用保険被保険者証自体はデータ入力後は労働者に返します。こういった手順を取ることにより、会社内での雇用保険被保険者証の紛失を防止しつつ、確実に雇用保険番号を押さえておくことができます。

「雇用保険番号の管理が大変になってきた…」
「雇用保険被保険者証を紛失してしまったかもと考えることが多くなった!」

上記のように考えている方は、ぜひ雇用保険番号の管理に「電子化」も検討してみてください。

7.まとめ

雇用保険番号は「労働者1人1人に与えられた番号」であり、労働者の転職や退職の際に必要となります。基本的には転職や退職で雇用保険番号が変わることはありませんが、例外として、雇用保険番号には、雇用保険に加入していない状態では有効期限があるため気を付けておきましょう。

雇用保険番号の記された雇用保険被保険者証は、労働者が雇用保険に加入すると自動的に会社へと送付されます。雇用保険被保険者証を見れば雇用保険番号を確認できますが、もしも雇用保険被保険者証を紛失してしまった場合に、会社やハローワークに確認する必要があります。

会社側の雇用保険番号の管理方法としては、電子化がおすすめです。電子化により会社内での雇用保険被保険者証の紛失を防止しつつ、より確実に雇用保険番号を抑えておくことができるでしょう。

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