事務所の特徴をお聞かせ願えますか。
佐々木先生:開業は20年以上前ですが、いわゆる1・2号業務を本格的に始めたのは、ここ3~4年になります。それまでは、大口企業の教育関連の助成金を主体としながら、その時々のトレンドの助成金を手掛け事務所を回していました。ただ最近、法人化したこともありまして、総合的な事務所として下地を固めています。また、東京を中心としながらも、沖縄でも営業活動をしています。
『社労夢』の導入はいつ頃ですか?
佐々木先生:『社労夢』は大体5年前に契約し、3年前から本格的に取り組んでいます。使い始めると、使わざるを得ないものになりました。多くの社労士の先生方が使っており、社労士が使いやすいものになっているのでしょうね。
取っ掛かりは電子申請でしたが、今は更に便利に使えるようRPAでの自動化を進めています。ここのところ集中的に『社労夢』を研究しているという感じです。
■クラウドでサービスを全国に提供可能に。助成金と併せた提案で導入を促進。
沖縄へはどういうきっかけで展開を始めたのですか。
佐々木先生:沖縄に進出する企業に、何か助成金はないかと聞かれたのがきっかけです。当時教育関係でいい助成金があったのと、沖縄独特の雇い入れの助成金がありまして、現地に行ったところ、その助成金を手掛ける社労士の先生があまりいなかったので、助成金をご案内するようになりました。今では助成金を手掛ける方も増えましたが、助成金で当事務所の名前が通るようになったので、近年では手続きも受託するようになりました。
いまは比較的大きい100名位の企業を主体に、毎月1社位受注しています。企業規模があると総務の担当者がいて、基本的なパソコンの操作ができる方がいますので、『ネットde顧問』の提案に自然に流れていきます。『ネットde顧問』や電子申請を活用すれば、事務所の場所は問いませんから、沖縄でも問題なく業務を進めることができています。
何の助成金を提案しているのですか。
佐々木先生:勤務間インターバルの助成金です。例えば『ネットde就業』を導入し、設定費用や導入の経費を助成金で賄うという提案です。100名位の企業でも、まとまって何十万という導入費用は提案しづらく、助成金と併せた提案は導入のハードルを下げてくれます。そこで助成金をサポートしながら労務管理もセットで受託しています。
打刻のシステムは、まだまだ提案の余地があります。そして、有名どころの打刻システムは色々とありますが、『ネットde就業』は他社と比べて確実に値段を抑えられます。
話はちょっと逸れますが、打刻のシステム然り給与計算ソフト然り、社労士のような専門家が法的な知識を持って販売・普及すべきものですよね。規定、運用面を見ながら打刻システムを導入し、法的な適正性を保持してくことは「働き方改革」の要請であり、まさに社労士の仕事だと思います。
入り口から出口まで一気通貫に処理できるのも『社労夢』の強みですね。その他に『ネットde顧問』はどのように活用していますか。
佐々木先生:『ネットde受付』を導入し双方でデータを確認できる利便性は、かなり浸透してきました。グループウエアを導入していない企業には『ネットdeスケジュール』を試しにご案内しています。進んでいる企業には『ネットdeスケジュール』で給与明細を『ネットde明細』にアップしましたとお知らせをしています。
話は変わりますが、沖縄では給与明細を紙で配っている企業が多いようで、『ネットde明細』はとても喜んでいただいていますね。ご高齢の方が多い企業では難しいところもありますが…。
また、『ネットde規則』も、規定や36協定入れておきますと気軽にセキュアなデータのやり取りができ、ありがたく思っていただいているようです。
■従業員が申請できる『DirectHR』の早期導入を進め、事務所効率化につながる『社労夢』連携の下地をつくる。
使いこなしていますね。
佐々木先生:機能は大体使っています。『ネットde賃金』は、これから提案を進めていこうと思うのですが、『ネットde明細』を使うため併せて進めていきたいと思います。
あとは、『DirectHR』も使っています。現状は、マイナンバーの取り扱いにアレルギーがある方や、契約社員の契約書の更新が手間と感じている方などが、とても良いとおっしゃっており、まずはそこに絞って使ってもらっています。
ゆくゆくは担当者が書類を集めてメールや『ネットde受付』に添付したりなどの作業が簡略化できるので、『社労夢』との連携は大いに期待しています。現状の利用はそこに至るまでの先行投資ですね。
それがいずれ実る時期が来ると思っています。
時代も変わっています。今回のコロナ禍でテレワークが進み、抵抗感はあったけど、やってみたら意外に色々とできることが分かった。新しいことが受け入れられる素地ができたのではないかと思います。
佐々木先生:それはまさに感じますね。Web会議のシステム上でデータもやり取りして、ある程度の話は済んでしまうことを多くの方が知ったのは、一つ大きな進歩だと思います。
社労士もIT化が遅れている業界と言われがちですが、今回のことで沢山のヒントをもらえたと自分は捉えています。荀子の「禍福終始を知って惑わず」という言葉があって、「災いや福がどう始まってどう終わるのかということを見極めるために学問がある」といったことですが、まさに今回のコロナの災いに関連し、ここ2カ月くらい自宅と事務所を往復している時によく考えましたね。
今回のことで何か事務所体制に変化はありましたか。
佐々木先生:出社しなくても、10時~17時に時短してもあまり変わらないことが分かりました。
また、私自身もノートパソコンを持ち歩き、働く場所を問わず『社労夢』で仕事をしています。法人で労働基準法が関係ない身として、以前は土日もほぼ毎週出社していましたが、最近では出社しないでも事足りるようになりました。
そういった事務所が増えていくのでしょうね。では、今後『社労夢』に求めたいことはありますか。
佐々木先生:現状、受付台帳など2画面見られない作業があったりと、操作性が今一つのところがありますが、新『社労夢』で改善されるとのことで期待しています。
(*新社労夢では同一PC上で社労夢を2画面に表示し操作することができます。現行の社労夢では申請システムと給与計算画面の2画面表示のパターンのみ可能です。)
あとは、社労士事務所は当然仕事のツールとして『社労夢』の操作を覚えますが、お客様はそういうわけでもないので、お客様向けのマニュアルやサポートがあると嬉しいですね。