まずは、事務所の概要についてお聞かせください。
城先生:現在では、大分県、福岡県、神奈川県、兵庫県に6ヵ所の事務所を構えております。商圏の拡大に合わせて事務所を広げてきたところと、独立志向のスタッフが半独立のような形で事務所を開いたところがあります。スタッフは53名、うち特定社労士含めて11名の有資格者がおります。業務としては給与計算等の手続きから、就業規則、労使に関する相談や紛争関係までほぼすべて受託しています。
その中でも事務所の特徴はどのようなところでしょう。
城先生:弊所が目指しているのは“デパート”ではなく“ショッピングモール”なんです。幅広い商品を取り揃える場所というより、専門店がたくさん集まっているイメージですね。それぞれのプロが連携してクライアントの課題を解決していくようなイメージ。ですから、職員には「自分独自の専門分野を作れ」と伝えています。あとは、ここ3年くらいで300人以上規模の相談業務だけの顧問契約の依頼が増えてきています。相談依頼から始まって、最終的には数百名規模の給与計算等も含めてまるごとお任せというケースも多いですね。労働力人口が減少していることもあって間接部門に人を割けないということや、監督署の指導が細かいので労働時間の管理や給与計算などを専門家にお願いしたいということなどの事情もあるんだと思います。
数百名規模となると、そこはやはり『社労夢』を使ってということになってきますか。
城先生:もちろん『社労夢』を中心に回しています。今積極的にやろうとしているのはCSVデータのやり取りですね。特に大規模な給与計算は、勤怠システムとの連携ができれば後が楽になりますし…。『社労夢』は給与のデータを別のところで使いまわせるのが利点ですね。以前は別の給与ソフトを使っていたのですが、私の号令で200社ほど全て『社労夢給与』に移しました。最初は前の給与ソフトの方が小細工ができるので、従業員からの抵抗もありましたが、一度設定したら「楽ちん」だということです。新しく入って『社労夢』しか触ったことがない従業員は、前のソフトの方が使いにくいと言っていまた。結果、しっかりと設定や紐付けをしてしまえば『社労夢』のほうが良いようです。
■RPA×『社労夢』で更なる自動化を目指し効率化に注力
城先生:あと、今取り組んでいるのはRPAですね。人の手を少しでも減らすことに注力しています。
RPAは、社労士業界でも色々と話題にはなっていますが、どのような取り組みをしているのでしょうか。
城先生:今は典型的な業務であれば、全部自動化できる時代ですからね。最初に手を付けたのは、電子申請で返ってきた書面のダウンロードや印刷など簡単なところから始めました。次の段階として、顧問先から送られてきた入退社などの連絡を確認しながら手入力していることの改善に取り組んでいます。現在は、連絡用のフォーマットをエクセルでつくっていて、顧問先がクラウド上にそのデータを置くと、弊所担当者別にアラートが出るようになっています。これを『社労夢』にコピー&ペーストしている訳です、それをRPAで自動登録できないかを検討しています。
城先生の事務所だからこそできるようなシステムのような気もしてしまいますが・・・。
城先生:いえいえ。どこでもできると思いますよ。エクセルの連絡用のフォーマットを顧問先に配って、メールで送ってもらえば良いだけですから。エクセルだったら社労士事務所でも顧問先でも日頃使っていますしね。あとは、セキュリティをどの程度まで求めるかということはありますが。