事務所の中心業務をお聞かせください。
吉木先生:中心業務は、手続代行業務、給与計算、全般的な助成金の申請など、一般的な社労士の業務範囲全般を手掛けています。
以前、福岡で労災関係の労務相談を得意とする社労士事務所で勉強していた時期があり、その経験を活かした労務相談を重点的にやっています。本日同席している田村は、キャリアコンサルタントの資格を持っており、資格を活かして顧問先の従業員のキャリア支援を行っています。このあたりの業務については、他の事務所より一歩先を進んでいると自負しております。
『社労夢』の導入についてお聞かせください。
吉木先生:開業当初は給与計算中心の他社ソフトを使っていましたが、もう少し手続き関係を効率的に処理したいと思い、『社労夢』の導入検討を始めました。先ほどお話した社労士事務所では労働保険事務組合を持っていて、エムケイシステムのシステムが入っていたので馴染みがありました。問い合わせをしたところ、担当の方から親身に案内してもらい『社労夢』の導入を決定しました。
導入後は、色々なソフトを活用するのではなく、データを一元管理したいという考えで、給与計算などもすべて『社労夢』へと切り替えました。オールインワンの業務ソフトであるということも、導入の決め手になっています。
その後、平成20年にクラウドの『社労夢ハウス』をご紹介いただきました。当事務所は、わりと辺鄙なところにありまして、行政に紙で届出をしようとすると1時間ぐらい掛かるのです。これを短縮したいという想いもあり、また今後は電子申請が主流になっていくであろうと考えて『社労夢ハウス』に移行しました。長崎県では一番早い導入だったと思います。
■顧問先向けアプリ『ネットde顧問』により、顧問先や行政との距離に関係なくサービス提供が可能に!
導入後『ネットde顧問』の活用状況はいかがでしょうか。
吉木先生:現在『ネットde就業(勤怠管理)』は8社、『ネットde明細(WEB明細)』は12社、『ネットde受付(業務受付)』は3社が導入しています。
近年、医療系の新規の顧問先が比較的多くなっていますが、新しい若い先生は、当初からネットに対するアレルギーがありません。片や当事務所はローカルということもあり、当初から訪問や手続きでの移動がないように『ネットde顧問』の提案をしています。
5人や10人といった規模の企業は、まだFAXでやり取りなので手入力作業が残りますが、『ネットde受付』は、先方の連絡事項をそのまま取り込めるので効率面でかなり変わってきます。
現在、給与計算は50社ほど受託していて、基本的には顧問先から勤怠の集計結果を預かり、当事務所で処理する流れです。そこを『ネットde就業』の勤怠管理に切り替えて給与計算まで一気通貫で処理したいと考えていますが、経営者の年齢層などを考慮すると、難しい面もあります。
田村様:企業規模が15名以上になると『ネットde就業』や『ネットde明細』を使うのと比較して、今までの方法だと効率性が全く違ってきます。給与明細を印刷して、それを1つ1つ封をしてお届けをする、という負担を考えると、天と地ほど差があります。
吉木先生:10年ほど前に社会福祉法人の顧問先に『ネットde就業』を提案しましたが、それが100名以上の企業に導入した先駆けとなりました。初期設定からエムケイシステムのサポートに問い合わせながら進め、権限設定では時間がかかりましたが、現在では運用が波に乗っています。その延長線上で、賃金制度のメンテナンスについての提案を行うこともできました。
この導入が成功事例となり、ほかの顧問先企業にも、自信をもって提案ができるようになりました。
その他の関連システムの導入状況はいかがでしょうか。
吉木先生:『MYNABOX(マイナンバー保管・管理)』『eNEN(WEB年末調整データ収集)』を活用しています。
田村様:去年から『eNEN』を導入いただいた企業では、ささっと『eNEN』で年末調整を進められています。
吉木先生:総務担当者が十分理解できると導入が進みます。『eNEN』を導入した企業は、総務担当者がシステムに詳しい方で、自分たちに大きく利便性があると理解して積極的に導入を推し進めてもらえました。
田村様:『ネットde明細』でも同じです。総務担当者が理解して、しっかりと従業員の方に説明してくだされば導入も進みます。WEB明細は年配の方には難しいと言われる場合もありますが、明細を会社で印刷することもできるという案内をしっかりと伝えていただくとスムーズに導入が進みます。
吉木先生:今後は、給与計算について『ShaRobo(社労夢公式RPA)』の導入を検討し、更に業務の効率化を図りたいと考えています。
■『社労夢』を中心に、社労士事務所の働き方改革を強力に推進する
吉木先生は、今後事務所をどのように運営していきたいとお考えでしょうか。
吉木先生:今、事務所は私を除くと職員の全員が女性です。みな家事もしながら働いていますので、『社労夢』を使いながら職員の働き方改革を行っていきたいということが、今後目指しているところです。
コロナ禍のピークのときには出勤を当番制にするなど、すでにテレワーク自体は実施しています。そこから更に進めて、在宅と出勤のハイブリッドのような形にもっていければと考えています。
事務所が自宅から遠い職員もいれば、子どもが小さい職員もいます。通勤の負担や子どもの行事に参加することなどを考えると、わざわざ出勤する必要がなければ、在宅で『社労夢』を使って仕事をしてもらう、それが『社労夢』の使い方としてベストではないでしょうか。次年度辺りから、当番制のような形で運用してみたいと思っています。
それに付随して、広範な事務所の業務全般を『社労夢』で完結できるように、より機能を拡張していただけるとありがたいです。
コロナ禍で在宅勤務が広く普及して、柔軟な働き方が社会的に推進されています。それを実現するのに必要な、場所を問わない、顧問先との連携機能を備えている『社労夢』は、これからの時代に対応していくのに非常に心強いツールであると思います。
吉木先生:いまや総務担当者も、まずはネットで検索をして、分からないことをわれわれ社労士に聞いてきます。そのような時代だからこそ、これからの社労士はより専門性を高めて、ネットワークでつながり対応していく必要があると考えています。そこにおいて『社労夢』のような社労士業務のプラットフォームをベースとしてつながっていければいいなと、そのようなことをエムケイシステムには求めたいところです。
取材:2022年11月